
混合育児から完全母乳に移行させたい。
ミルクと母乳をあげているママの大半が、完全母乳(完母)を目指していると思います。
私もそんな大勢のママの1人でした。
ネットを見ても「いかに混合育児から完母にできたか」という話ばかり。
逆に、混合から完全ミルクに移行した話はとても少ない。
なかなか完母に移行できず悩んでいるママのために、今日は、私が完母に翻弄された日々とその結果思ったことを率直に書いてみたいと思います。
悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
母乳育児ってなに?
文字通り、赤ちゃんを母乳で育てることです。
母乳には、栄養や免疫力を高める成分がたくさん含まれていて、「お母さんが赤ちゃんにあげられる最高のプレゼント」とも言われています。
中でも「完全母乳」は、一切ミルクを使わず、母乳だけで育てること。
私が出産予定だった病院では、院長先生が母乳育児に関する本を執筆されているほど、完母推奨の熱心な病院でした。
母乳育児は誰でもできる?
でも、実際には――
- 簡単に母乳が出る人
- なかなか軌道に乗らない人
- 最初から母乳がほとんど出ない人
いろんなケースがありますよね。
一番つらいのは、うまくいかなかったママが後から「自分の努力が足りなかったのでは?」と、自分を責めてしまうこと。
かつての私も、そうでした。
でも、今なら言える。
悔やむ必要なんて、なに一つない!
母乳育児がうまくいかない理由って、本当に様々ありますよね。
- 体質的に母乳が出にくい
- 赤ちゃんの口や舌の形が、母乳に向いていない
- 出産時のトラブルで、早期に母乳を与えられなかった
など。
母乳育児の本にはよく「私たちは哺乳類なので自然と母乳が出るようになっています」と書いてありますが、あれを読むたびに私はすごく落ち込んでいました。
「母乳が出ない私は、哺乳類じゃないの…?」って。
「赤ちゃんを産めば当たり前に母乳が出る」
「母乳が出ないのは努力不足」
そんな言葉が胸に突き刺さり、ただでさえ緊張しながら赤ちゃんのお世話をしているのに、人間として否定されているような気持ちになって・・・途方にくれました。
私が努力したこと
母乳がなかなか出なかった私は、本やネットで調べ、人に聞きまくって、片っ端から試しました。
【母乳育児のために試したこと】
- おっぱい入院(母乳育児指導のため赤ちゃんと再入院)
- 桶谷式マッサージ(助産師さんのマッサージ&アドバイス)
- 授乳前のマッサージ(毎回自分で)
- 夜中の定期搾乳(2〜3時間おきに目覚ましかけて)
- 母乳が出やすい食事(根菜など体を温める)
- 母乳が美味しくなる食事(刺激物・加工品を控える)
- 哺乳瓶の選定(「母乳相談室」というミルクが出にくい哺乳瓶)
いろいろやったけど、夜中の搾乳が地獄でした(笑)
母乳は2〜3時間おきに作られるから、赤ちゃんが飲まなくても「飲んだ」と思わせるために搾乳が必要だと言われて。
真冬の深夜に、洗面所の電気をつけて、眠い目をこすりながら搾乳。
でも全然出ない。
今思えば罰ゲームですよね。(笑)
そんなことしないで、ゆっくり寝た方が母子ともによかったと今は思えます。
辛かった母乳育児
息子の新生児時代を一言で言うなら、「とにかく辛かった」。
簡単に母乳をあげてる人がたくさんいるのに、なぜ私はできないんだろう?と悩みに悩み、育児ノイローゼ寸前でした。
写真は当時の育児日記に記録していた授乳時間。
ミルクの前には必ず母乳を与えていて、生後17週(4ヶ月過ぎ)でもこの状態。
完母ならこの回数でも大丈夫なんです。
だって胸を出せば赤ちゃんが勝手に飲んでくれるから。
でも私は違った。
胸のマッサージ、母乳、ミルク作りと、2重3重の手間。
もちろん、家事もある。休む暇なんてない。
おっぱい入院中、睡眠不足でフラフラの私に看護師さんが一言。
「ゆうゆうさん、頑張りが全然足りない」
あの言葉、一生忘れません。
本当に頑張った。
限界までやりました。
でも今になって思うんです。
「これって、一体何のためだったの?」って。
ミルクでも全然大丈夫
もし今これを読んでいるあなたが、どんなに頑張っても赤ちゃんが母乳を飲んでくれず、辛くてたまらないなら――
迷わず、ミルクをあげて欲しい。
私は半年間、全力で混合から完母を目指しました。
でも6ヶ月で「もう十分頑張った」と思い切り、完全ミルクに。
そしたら、育児が劇的に楽しくなったんです。
誰のための母乳育児か考える
母乳育児は、素晴らしい。
お母さんからの母乳は、赤ちゃんへの最高の贈り物。
でも、もしそのこだわりが、
ママ自身を追い詰め
赤ちゃんにまで負担をかけていたとしたら?
母乳不足でミルクも十分もらえなかった息子は、いつもお腹を空かせていて、癇癪持ちで寝つきも悪い赤ちゃんでした。
「私はこんなに頑張ってるのに、どうして飲んでくれないの?」と、辛かった。
でも、一番しんどかったのは息子だったんですよね。
「どうして何も出ないものを吸わなきゃいけないの?」
「もっと美味しいミルクをたくさん飲みたいのに!」
赤ちゃんの気持ちは、きっとそうだったはずです。
生まれたときは平均体重・身長だった息子。
でも、小学2年になった今もかなり小柄です。
それはあの半年間、ずっとミルクを満足にあげずにいたからかも知れません。
育児で一番大切だと思うこと
「赤ちゃんに栄養満点の母乳を与える」ことは、心から素晴らしいと思います。
でも、それはきっと一番大切なことじゃない。
一番大切なのは、ママが育児を楽しむこと。
私はそう思います。
赤ちゃんは本当に可愛い。
でも、小さいのはほんの一瞬だけ。
だからこそ、その時期を思いっきり楽しんで欲しいんです。
笑って、見つめて、抱きしめて。
その愛らしさを、しっかり胸に刻んでほしい。
私は完全母乳にとらわれすぎて、
新生児期の育児を楽しむ余裕が、まったくありませんでした。
息子のあの時期を、ほとんど覚えていないんです。
赤ちゃんにとって母乳は、確かに最高の贈り物かもしれない。
でも、本当に一番の贈り物は「ママの愛を全身で受け取ること」なんだと思います。
私は、2人目の娘を完母で育てました。
でもミルクで育てた息子も母乳で育てた娘も、どちらも同じように明るく元気に育っていますよ。
だから、完母じゃなくても大丈夫!
ゆうゆう的まとめ
私は決して、ミルクをすすめたいわけではありません。
でも、もし今、母乳で悩んでいるのなら、思いきってミルクに頼ってみてください。
その悩んでいる時間を、赤ちゃんにあげて欲しい。
お母さんの元気は、赤ちゃんの元気につながります。
すべてのお母さんたちに、楽しい育児の時間が訪れますように。
ゆうゆうでした。