学習漫画『日本の歴史』を子供に買おうと思ったら、種類がありすぎて、どれを選んだらよいか困りました。
「それなら読み比べたらいいやん」と、代表的な小学館、集英社、角川、学研4社の本を実際に1冊ずつ買ってみました。
まるまる読んでわかったことや特徴、おすすめポイント、子供たちの感想などもご紹介しますね!
セットで購入すると高いものなので、この記事が参考になれば嬉しいです。
それでは4社比較『日本の歴史』、いってみましょう!
『日本の歴史』4社の比較
ざっと4社を比較してみました。
値段が一番安いのが学研。そのぶんページ数、巻数も少ないです。
一番高いのは小学館。24巻とボリュームがあり、情報量も多いのでこのお値段は納得。
角川は学研の次に安いですが、1巻あたりの本編のページ数が多いのでお得感がありました。
小学館 | 集英社 | 角川 | 学研 | |
---|---|---|---|---|
監修者(アドバイザー) | 児玉幸多氏(学習院名誉教授) | 野島博之氏(学研プライムゼミ特任講師) | 山本博文氏(東大教授) | 大石学氏(東京学芸大学名誉教授) |
巻数 | 24巻 | 20巻 | 15巻 + 別巻4冊 | 12巻 + 別巻2冊 |
値段 | 21,758円 | 19,800円 | 16,720円 | 16,060円 |
ページ数(本編) | 118ページ | 158ページ | 200ページ | 108ページ |
試し読み | 各巻 | 1巻 | 各巻 | 1巻 |
無料ダイジェスト版 | 無料 1巻 | 無料ダイジェスト版 | 4巻 | |
漫画 | 絵が古い | 巻によって絵が違う | 今時の絵 | オールカラー |
情報量 | 多い | 普通 | 多い | 少ない |
読者層 | 大学受験向け | 近現代史重視 | 小学生~高校生 | 歴史好きにさせる |
それでは、4社の本を読んだ感想、いってみましょう!
小学館版
落ちこぼれから、慶応大学に一発合格したビリギャルが歴史の勉強に使ったことで有名。
このセットで大学入試の知識が詰まってると思うと、スゴイの一言!
- 漫画家と監修者が全巻同じで統一感がある
- 字数はダントツ多く、絵より字が目立つ
- 情報量が多く大学受験にも役立つ
とにかくスンゴク字が多い(笑)。
読むのが苦手な子供にはプレッシャーになりそう。
ただ読み始めるとストーリーがおもしろく、「流石!」といった感じ。
情報のほとんどがセリフ内に書かれており、欄外の注釈がほとんどないのもスムーズに読めるポイント。
私が子供の頃からある本なので、正直「あんまりかな」と思っていましたが、メチャ面白かったです。
- 絵が子供っぽく感じる
子供が「子供っぽく感じる」と言っていました(笑)。
確かに4社の中では絵が古臭いのは否定できない・・・。
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おすすめポイント
集英社版
ジャンプつながりでジョジョの荒木先生やナルトの岸本先生、東京喰種トーキョーグールの石田先生などが描かれていて、それだけでファンは垂涎もの。(夫は荒木先生の巻に執着)
- 巻によって漫画が違う
- 近現代史が多い
- 大事な言葉やポイントは太字
- 巻末に逆引き用語索引あり
話がスムーズで物語としてかなり読みやすく、私は集英社が一番好きでした。
欄外の説明も少なめ。
とくに試験にでそうなポイントが太字になってたり、
用語の逆引きができたりして勉強にも便利です。
学研の情報量では物足りないけど、中学年の子供でも読めて受験勉強の情報量もかなり入っている。
バランスの取れた本だと思います。
- 読みやすい。
具体的な話はなにも出ず・・・。(スミマセン)
ただ4社の中では集英社が一番よかったようです。
おすすめポイント
角川版
最先端の東大流で歴史の流れをつかむことを最大限重視。
平成の終わりまで話があり、4社の中で一番最新の情報が入っています。
安倍総理もでてきますよ~。(当たり前だけど、めちゃ似てます)
- コンパクトで軽い
- 絵が今風
- 流れ重視
- 山本先生の解説が入っている
コンパクトなのに、4社の中で一番ページ数は多いです。
DEATH NOTEの小畑健先生(5巻)やスタジオジブリの近藤勝也先生(15巻)などが表紙を描いている巻もあり、これまたファンにはたまらない。
とくに15巻は完全、火垂るの墓(ほたるのはか)。
一見、あまりに話がスムーズなので頭に残りそうにないのですが、随所に山本教授のまとめや解説が入り、ポイントをおさえることができると思いました。
- サイズが小さいので持ち運びやすく、軽い。
- 裏表紙に巻の内容とあらすじがあって本を開かなくてもどんな話かわかる。
- 登場人物の関係図が最初にあってわかりやすい。
- 絵がいい。
息子、大絶賛(笑)。
重さも他社は400gオーバーですが、角川は260g。
圧倒的な軽さです。
とくに裏表紙にあらすじがあるのは角川だけ。開かなくてもどんな内容なのかわかるので子供にはいいみたい。
子供たちが気に入っている絵ですが、私にはキラキラすぎる・・・。
でも、今時の子供にはそれがイイみたい。
ジェネレーションギャップを感じました。
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おすすめポイント
学研版
学習塾などの教育サービスを運営している学研が出しているだけあり、子供が読みやすい本です。
- オールカラーで綺麗
- 巻によって漫画が違う
- 漫画のセリフが少ない
- 欄外の説明が多い
- 巻末資料の充実
4社の中で、一番本編のページ数が少なく、セリフも少なめ。
そのぶん、欄外での説明が多くなっています。
低中学年は本編のセリフ部分だけ読んで楽しみ、高学年や中学生などは欄外の解説で理解を深められるようになっていて、読む人にとって一番ハードルが低い本だと思いました。
また、漫画での情報は少ないですが巻末の資料は詳しいので、勉強目的なら巻末資料を読めばかなりいい線はいけると思います。
全体的に少し物足りなくは感じますが、読む力が少ない子には読みやすく、途中で挫折することなく読めるというメリットがあります。
- 絵が筆みたいな薄い色で気に入らない
それだけか~い!
巻によって漫画家が違うので、別の巻だとまた違った印象になったかも知れません。
確かに、初めて開いたときは「ジブリのかぐや姫か」と思いました。
話の進み具合も画風がそう思わせるのか、4社の中では一番淡々としていました。
息子は角川を気に入ってしまったので、ほかはあまり魅力的に感じなかったのかも知れません(汗)。
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おすすめポイント
江戸時代中期を4社で比較
次に、同じ時代を4社がどのように紹介しいているのか比較してみました!
江戸中期から後期にかけては色んな改革が行われているので、出版社によってどんな風にとらえているかわかって私も面白かったです。
出版社 | 小学館(14巻) | 集英社(11巻) | 角川(10巻) | 学研(8巻) |
---|---|---|---|---|
「幕府の改革」 | 「ゆらぐ江戸幕府」 | 「花咲く町人文化」 | 「ゆれる江戸幕府」 | |
徳川吉宗 | 好意的 | 不明(10巻で登場) | 好意的 | 庶民に人気なし |
田沼意次 | 将軍の後ろ盾が命 | 商人感覚 | 商人感覚 | ほとんど出ず |
松平定信 | 超真面目人間 | 超真面目人間 | 超真面目人間 | 真面目な人 |
水野忠邦 | 不明(15巻に登場) | 冷静かつ強引 | 愚策(11巻で登場) | チョロット登場 |
西洋学問 | 複数人(バランス) | 杉田玄白中心 | 平賀源内中心 | シーボルト中心 |
町人文化 | 不明(15巻に登場) | 十辺舎一九(作家) | 複数人(バランス) | 歌川広重(浮世絵) |
一番大きな違いは田沼意次。
悪役のイメージが強い田沼ですが、集英社と角川はかなり魅力的な人物として描いています。
もともと足軽出身だったため、身分制度がものをいうこの時代に出世するのはかなり苦労したよう。
賄賂をわたして老中にまで昇りつめた意次を、集英社と角川は経済活動を活発にするために様々なアイディアを出した商人感覚を持った人物として好意的に描いていました。
私も今までなんとなく「田沼は悪者」の印象が強かった・・・。
また、大塩平八郎の乱については学研だけが2ページだけでしたが、ほかの3社はもっと詳しく描いています。
出版社によって、歴史の切り取りかたが違って面白いですね~。
小学生に一番人気なのは?
角川が一番人気。
実際に息子(小5)も角川をぶっちぎり一番に気に入ってました。
小学館は読むと面白いんですが、絵が古臭く感じるようで、そもそも子供が手に取らない(涙)。
集英社と学研もそれぞれ素晴らしいんですが、
- 今風の絵
- コンパクト
で角川が子供心をガッツリつかむよう。
時代にあっているのかな、と思いました。
角川はセットで買っても1冊ずつ買っても値段は一緒なので、気になる方はまず好きな巻を1冊買ってみるといいですよ!
ゆうゆう的まとめ
小学館、集英社、角川、学研と4社をじっくり読んで比較してみましたが、どれもとても面白かったです。
私の感想では、大学受験なら小学館、近現代史の充実なら集英社、読むのが苦手なら学研、歴史の流れをつかむなら角川だと思いました。
我が家は子供たちの希望で角川を買いましたが、年齢や目的によってはほかの出版社のものがよいかも知れません。
私自身、歴史好きで大学では歴史の勉強をしました。
歴史は人間の物語。
未来を知る教科です。
漫画を通して歴史の面白さを知ってくれればなぁ~、と思っています。
この記事が『日本の歴史』を買う参考になればとっても嬉しいです!
ゆうゆうでした。