中学生の息子が読む本が、最近私の読む本とかぶってきました。
つまり、大人が読むような本を読むようになってきたと言うこと。
今回図書館で借りてきたのは池井戸潤さんの『アキラとあきら』。
池井戸さんと言えば「半沢直樹シリーズ」や「下町ロケットシリーズ」などを書く大人気作家さんですが、私の中では「(中学生より)もう少し上の年齢が読むお話」と思っていました。
なぜなら、このお話はメガバンクを舞台にしたストーリー。
銀行が企業に融資したり、回収したりと言った内容がかなり出てくるので、正直まだ息子にはちょっとムズカシイんじゃない?と思っていたんです。
でも、息子は夢中になって読んでました。
とくに主人公が小学5年生のころから話が始まるので、歳が近い息子は感情移入しやすかったのかも?
小さな工場を経営していた父の倒産や、友達との急な別れ。
それまで「絶対に守ってくれる存在」だった父母の変化や、厳しい家庭の経済状況から悩む進路など。
少し前の自分と比較しながら、そして、少し先の自分を想像しながらページをめくる手が止まらなかったんだと思います。
理不尽な出来事にも冷静に対応し、最善をつくすために困難に立ち向かう主人公たちの姿は息子に大きな感動を与えました。
今の子どもは忙しい毎日をおくっています。
息子もクラブや勉強、ゲームにテレビ、折り紙とアレコレあって、あっという間に1日が過ぎるようです。
そんな忙しい生活をおくる中では、1ページ1ページめくる本を読むことをまどろっこしく感じる人も沢山いるでしょう。
でも、その読書の「まどろっこしさ」のおかげで自分の心と向き合うことができるんだと私は思っています。
1行1行読むごとに、考えたり、感じたり、同意したり、反発したり。
そんな時間を1冊の本と過ごすうちに、それが自然と自分の内に根付いていく。
そして、なにかに負けそうになったり、悩んだりしたときに、勇気づけたり、元気づけたりしてくれる。
本とは、そういう心の糧になるものだと思っています。
中高生は体も心も大きく変化する時。
また、進路についても考える時期。
色んなことを考え、進んでいかなくてはいけない多感な時期に本を読むことは、これからの生き方にも影響するのではないかと思っています。
1冊の本が、人生を変えてしまうことだってある。
そんな大切な時期に、子ども達には思いきり読書を楽しんで欲しいな。
「勉強のため」ではなく、心の栄養として読書。
これからも色んな本を読んで、自分の内の世界を広げていって欲しいと思っています。
ゆうゆうでした。